個人情報保護法

宗教団体から退会する際に教団が保有する個人情報はどうなるのか

宗教団体の保有する個人情報が心配なかた

宗教団体は(法人化しているかどうかにかかわらず)信者に関する多くの情報を持っていると考えられます。退会希望者の中には、宗教団体保有の個人情報が、退会後も別の目的や再勧誘に利用されるのではないかと不安に思っているかたもいらっしゃるでしょう。

宗教団体が持つ個人情報は、信者が退会をしたあと、どう扱われるのでしょうか? また、教団に対して自分の個人情報を完全に消去するように要求することはできるのでしょうか? この点を、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)との関連をふまえて解説していきたいと思います。

宗教団体と個人情報保護法について

個人情報保護法は、「個人情報取扱事業者の義務等」について細かく規定しています。これに違反すると、事業者は主務大臣から勧告や処罰を受けることもあります。

しかし、宗教団体が宗教活動(それに付随する活動)を目的として個人情報を利用する場合にはこの「義務等」は課されず、勧告や処罰の対象にもなりません。宗教団体を規制の対象にすると、憲法で保障されている宗教活動の自由を制限してしまうことになるため、同法で「適用除外」とされているからです。

ただし、適用除外団体だからといって、個人情報をどう扱ってもよいというわけではありません。宗教団体が、保有する個人情報を公益事業やその他の事業に利用する場合は「義務等」が課せられ、違反すれば勧告、処罰の対象になります。

さらに、個人情報保護法763項では、「個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならない」と定められており、宗教団体などの適用除外団体にも努力義務を課しています。

宗教団体は、信者の人格にかかわる大事な情報を預かっているわけですから、自ら個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を定めて、個人情報の適切な取扱い、安全管理を徹底する必要があると思います。

事業者が保有する個人情報は本人の希望でいつでも消せるわけではない

個人情報保護法は、事業者が保有しているデータベース上の個人情報(個人データ)について、次のように定めています。

訂正等について

個人データの内容が事実と異なっている場合に、本人から訂正、追加または削除(訂正等)の要請があれば、事業者は利用目的の達成に必要な範囲内で調査をし、訂正等をしなければなりません(第29条)。

利用停止等について

事業者が個人情報を不正に取得した場合や、目的から離れて利用していた場合などに、本人から個人データの利用停止、または消去(利用停止等)の要請があれば、必要な限度で利用停止等をしなければなりません(第30条)。

これは逆に言うと、個人情報に誤りがあったり、事業者が不正取得や目的外利用をしたりしなければ、削除や消去などを事業者側に強制することはできないということです。

他にも、「利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない」(第19条)という規定がありますが、これも努力義務に過ぎないので、強制力はありません。

このように、現行法では、個人情報の削除や利用停止を事業者に義務づけられるケースというのがかなり限られています。個人情報を保有しているのが宗教団体など、「義務等」の適用除外団体であれば、本人が個人情報をコントロールするのはさらに難しくなると言えるでしょう。

宗教団体から退会する時に個人情報を消去してもらいたい場合

これまで見てきたように、宗教団体から退会をするときに、自分の個人情報を消してもらえるかどうかは、当該団体の判断によるところが大きいと言えます。

しかし、退会したにもかかわらず、教団の名簿に信者として名前が残っていれば、それは事実と異なる個人データと言えますから、のちのトラブルの種にもなりかねません。それに、宗教団体と完全に縁を断ちたいと思っているかたは、個人情報が再勧誘に利用されるのを避けたいという気持ちもあるでしょう。

そのように考えると、やはり個人情報の削除などを教団側に要請しておくべきだと思います。

所属する宗教団体が個人情報保護方針を定めているか

宗教団体が独自で個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を定めていれば、まずはそれを確認してみましょう。団体によっては、個人情報保護法を遵守し、一般の事業者同様の対応を規約に定めているところもあります。

退会の通知とともに信者名簿などからの個人情報の削除を要請する

退会の通知を内容証明で送る場合は、個人情報を削除してほしい旨も記載しておきましょう。

実際に削除してもらえるかどうかは団体側の規約や判断にゆだねられることになると思いますが、書面できちんと要請しておけば、応じてもらえる可能性が高まります。さらに、内相証明であれば証拠として書面が残るため、トラブルが起きた際に対処しやすくなるというメリットもあります。

当サイトから弁護士にご依頼いただければ、退会希望者に代わって退会の通知や個人情報の削除要請をすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

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