脱会時のトラブル

霊感商法などの悪質な勧誘で結んだ契約を取り消したいとき

宗教団体への入信と同時に、悪徳商法まがいのやり方で高い品物を買わされたり、セミナーの受講契約をさせられたりするケースがあります。

このような形で入信、契約をしてしまい、あとで「やっぱり退会したい、お金を返してほしい」と思っても、単に退会の意思を伝えるだけでは、金銭の問題が解決できません。では、解決のためにどのような手続きをとればよいのでしょうか?

退会と同時に売買契約などを解除し、お金を取り戻したいというかたは、クーリングオフ制度や消費者契約法などの法令を根拠にして、手続きを進めていくことになります。

まずは、契約内容や勧誘の方法に注目し、取り消せる契約なのかどうかを見極めることが重要です。

入信と同時に購入したり、契約したりする可能性があるもの

宗教団体が、宗教活動や公益事業をおこない、組織を運営していくためにはそれなりのお金が必要になります。献金、お布施、入会金、会費、会報・新聞の購読料、神具・数珠・仏像・仏壇などの代金、占い・祈祷・供養などの料金、セミナー(講座)の受講料など、団体によって収入減は多様です。

宗教団体が、こうした品物・サービスを、信者や一般の個人に勧めて契約を結んだとしても、それだけで問題になることはありません。

しかし、契約内容や勧誘の仕方が悪質な場合は、違法性や取り消しが認められる可能性もあります。

多額の支払いをさせるための悪質な勧誘方法とは

宗教や神秘的な力に関連した悪質な勧誘方法としてあげられるのが、いわゆる霊感商法です。

霊感商法とは、売り手が霊感を持っていることを相手に信じ込ませて、相手の不安をあおりつつ品物を売りつけるという悪徳商法の一つです。霊視商法、開運商法、スピリチュアル商法などと呼ばれることもあり、近年、消費生活センターや弁護士への相談件数が増えています。

具体例としては、病気の悩みを持っている人に対し、「あなたには悪い霊がついている。このままでは病気がさらに悪くなる」などと言って不安を抱かせ、「この品物を買えば、悪い霊はいなくなる」と、高額な商品の購入を勧めるケースがあります。

霊感商法をおこなうのはどんな人たちか

霊感商法をおこなう事業者は、次のようなタイプに分けられるのではないでしょうか。

  • 初めから大金をだまし取るつもりで宗教団体や霊能者などのふりをする悪質な業者

典型的な詐欺と言えます。ただし、売り手の側に、初めからだますつもりがあったのかどうかを立証するのは簡単ではありません。

  • 純粋な気持ちから宗教、霊視などを始めたが、献金の勧誘や資金集めをする過程で悪質な方法に手を染めていく宗教団体、その一部の信者、霊能者など

宗教活動の一環としておこなわれている場合は、その宗教の教義、団体内部の自治なども絡んでくるため、どこからが違法と言えるのか、という判断は非常に難しいと言えます。宗教団体などの信教の自由に十分な配慮をしつつ、慎重に見極める必要があるでしょう。

だまされてしまいやすい状況とは

霊感商法の勧誘員は、相手の弱みにつけこんで冷静な判断力を失わせます。そのため、悩みがある、悪いできごとが続いているなど、精神的に弱っているようなときにターゲットにされがちです。

次のような状況をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。

  • 病気を抱えていて、医者にかかってもよくならない
  • 身近な人を亡くし、失意の日々を送っている
  • 学校や職場の人間関係で悩んでいる
  • 失業や業績不振など仕事上の悩みがある

さらに、信仰心が強い人、霊や超能力の存在を信じている人は、そうでない人よりもだまされやすいと言えるでしょう。

霊感商法でよく使われる手口

次のような手口がよく使われます。

  • プライベートなことがらを聞いて、買い手がどんな悩みや問題を抱えているのかを探ろうとする
  • 霊が見える、未来がわかるなどと言い、自分が神秘的な力を持っていることを、買い手に信じ込ませる
  • 今のままでは病状が悪化する、天災から逃れられないなど、買い手にとって不幸な未来を予知し、不安感、恐怖心を極度にあおる
  • 品物を買ったり、サービスを受けたりすることで難病が治る、運が開けるなどと言い、問題が確実に解決すると期待させる
  • 品物やサービスの値段がけた外れに高い
  • 買い手を説得するために何時間も勧誘を続ける
  • 一度購入をしても、別の理由をつけて次から次へと品物を勧めてくる
  • 借金をしてでも買うように勧めてくる

以上は参考例です。これらの手法が使われているからといって、直ちに違法性や取り消しが認められるとは限りません。自分の交わした契約が霊感商法にあたる可能性があると思われるかたは弁護士にご相談ください。

あえて宗教色を隠す勧誘もある

宗教団体の信者であっても、あえてそのことを隠して悪質な勧誘をする手法も見られます。たとえば、表面的には大学のサークル、自己啓発セミナー、人生相談など、宗教とは関係がない団体のふりをして、高額な品物を買わせたり、セミナーを繰り返し受講させたりします。そして、勧誘された当人は、いつの間にか宗教団体の内部に取り込まれ、後戻りしづらくなります。

霊感商法とは逆に、宗教や神秘的な力をあまり信じていないという若い消費者がターゲットにされやすいので、注意が必要です。

契約を解除してお金を取り戻す方法

悪質な勧誘により契約を結んでしまったときに、どのような法律を根拠に契約を解除すればよいのでしょうか

消費者契約法

契約時の状況にもよりますが、霊感商法への対処にもっとも適していると言えるのが消費者契約法です。この法律では、これまで霊感商法と呼ばれてきた悪質な勧誘方法を次のように定義しています。

事業者が消費者と契約を締結する際、「当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること」(消費者契約法436号)

他の悪徳商法との大きな違いは、「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力」が関与していることを信じ込ませて勧誘をおこなう点です。

こうした勧誘によって消費者が困惑し、契約をさせられた場合は取り消しができるとされています。

消費者契約法のこの規定は、霊感商法による消費者被害の拡大を背景に、平成30年の改正で新設されました。

その他の悪質・強引な勧誘による契約を取り消したい場合

勧誘の仕方が霊感商法に当てはまらない場合でも、消費者契約法のその他の規定により契約を取り消せることがあります。

【契約を取り消せる場合がある強引な勧誘の一例】

  • 事業者が消費者の自宅などに訪問し、消費者が帰ってほしい旨を告げても、事業者が帰らずに勧誘し続ける
  • 消費者が勧誘を受けている場所から帰りたい旨を告げても、事業者が勧誘を続け、帰してくれない

(消費者契約法431号、2号)

また、訪問販売、電話勧誘販売、マルチ商法などクーリングオフの対象となる取引内容、商品、サービスであれば、解約できる場合があります(解約期限は取引の内容によって8日~20日)。

解約の意思を伝える

上記の法令を根拠に契約を取り消したい場合は、内容証明郵便を利用するとよいでしょう。

宗教団体からの退会を考えているかたは、退会の通知とともに品物、サービスの解約の通知もすることになります。

弁護士が退会、解約の手続きを代わりにおこなうこともできますので、ご希望があれば当サイトからご依頼ください。

また、「宗教団体から退会する気はない」、「入信はしなかったが商品を買わされてしまった」というかたは、商品・サービスの解約手続きのみをご依頼いただくこともできます。お気軽にお問い合わせください。

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